京都府舞鶴総合庁舎が敷地内禁煙を実施(2019年7月1日)
京都府舞鶴総合庁舎(舞鶴市字浜2020)が2019年7月1日より敷地内禁煙を実施した。同日の改正健康増進法の一部施行に伴う措置。
京都府の総合庁舎はこの他に福知山総合庁舎だけが敷地内禁煙となった。
宇治、乙訓、田辺、木津、園部、亀岡、綾部、宮津、峰山の9ヶ所の総合庁舎は喫煙場所が残された。
府庁(京都市)にも喫煙場所が3ヶ所ある。京都府は「受動喫煙ゼロ」を掲げていながら、実行に移せていない。
経緯
2019年
平成31年第1回(コアメンバー) 京都府職員安全衛生委員会舞鶴地区小委員会
2019年4月24日(水)16時より、平成31年第1回(コアメンバー) 京都府職員安全衛生委員会舞鶴地区小委員会が開催された。
開催報告:
赤枠内書き起し:
○健康管理セミナーについて
からだについては、卒煙をテーマにを早期に実施する。
その他(健康増進法改正に伴う敷地内禁煙について)
舞鶴総合庁舎について、4月1日から2箇所に設置していた喫煙所を1箇所に集約したが、7月1日から行政機関の庁舎は原則、敷地内禁煙と法改正が行われたので、次回の全体会に敷地内禁煙を提案する。
※中丹東保健所庁舎は既に敷地内禁煙を実施済。
※港湾局は民間の貸しテナントのため、今回の法改正の対象とならない。
令和元年第2回(全体会) 京都府職員安全衛生委員会舞鶴地区小委員会
2019年5月14日(水)10時より、令和元年第2回(全体会) 京都府職員安全衛生委員会舞鶴地区小委員会が開催された。
開催報告:
赤枠内書き起こし:
行政機関の原則敷地内禁煙について
7月1日から舞鶴総合庁舎を、敷地内全面禁煙とすることを舞鶴地区小委員会の決定とする。
全面禁煙に先立ち卒煙セミナーを開催する。
舞鶴総合庁舎の庁舎管理委員会にて、舞鶴地区小委委員会からの提案を行う。
「小委委員会」とあるのは「小委員会」の誤植。
舞鶴総合庁舎管理委員会
2019年5月31日(金)10時より、舞鶴総合庁舎管理委員会が開催された。
開催報告:
赤枠内書き起こし:
敷地内禁煙について
安全衛生小委委員会の見解を踏まえ敷地内禁煙を舞鶴総合庁舎で実施することについて、了承を得る。
「小委委員会」の誤植がここにも見られる。
舞鶴総合庁舎が敷地内禁煙を実施
2019年7月1日、舞鶴総合庁舎が敷地内禁煙を実施した。改正法を遵守した措置であったといえる。
情報公開請求で開示された文書だけからは、特に反発もなくトントン拍子で敷地内禁煙が達成されたように見える。もともと喫煙率が低かったのか、それとも下げる取り組みを続けていたのか、などの背景についてはよく分からなかった。
他の総合庁舎における受動喫煙対策
京都府の総合庁舎はこの他に福知山総合庁舎だけが敷地内禁煙となった:
muen-desire.hateblo.jp
宇治、乙訓、田辺、木津、園部、亀岡、綾部、宮津、峰山の9ヶ所の総合庁舎は喫煙場所が残された:
muen-desire.hateblo.jp
府庁(京都市)にも喫煙場所が3ヶ所ある。
これらの庁舎における受動喫煙対策の経緯は後日、別稿に記す。
喫煙場所がある限り、受動喫煙は必ず生じる。喫煙後であっても喫煙者の呼気にタバコ煙の有害物質が含まれるからだ。
京都府は京都府受動喫煙防止憲章を策定し、「受動喫煙ゼロの京都府を目指す」と掲げていながら、府の庁舎で実行に移せていない。これでは民間に示しが付かない。
京都府受動喫煙防止憲章/京都府ホームページ
滋賀県立琵琶湖博物館が敷地内禁煙を実施(2020年1月)、予定を3ヶ月前倒し
滋賀県立琵琶湖博物館(草津市下物町1091)の駐輪場に喫煙所があった。当然、駐輪場の利用者らに受動喫煙が生じる。
「知事への手紙」を通じて撤去を要望したところ、「速やかに喫煙場所を撤去」してくれた。
また2020年4月の予定より3ヶ月早く、1月より敷地内禁煙が実施された。
駐輪場の喫煙場所
駐輪場の中、手前側に喫煙所があった。灰皿を囲むように椅子が3脚置かれていた:
駐輪場には屋根が架けられていて煙が横に移動する構造となっている。当然、自転車やバイクを停めようとする者らへと受動喫煙が生じる。
喫煙の際の配慮義務
2019年1月24日に一部施行された改正健康増進法において、喫煙の際の配慮義務が規定された。受動喫煙が生じる場所に喫煙場所を設置してはいけない。
健康増進法より抜粋:
(喫煙をする際の配慮義務等)
第二十七条
2 特定施設等の管理権原者は、喫煙をすることができる場所を定めようとするときは、望まない受動喫煙を生じさせることがない場所とするよう配慮しなければならない。
滋賀県の対応
喫煙所を速やかに撤去し、また2019年5月31日より敷地内禁煙を実施した県庁と同様に敷地内禁煙を実施するよう、「知事への手紙」を通じて要望したところ、広報課より次の回答があった:
「知事への手紙」をお送りいただきありがとうございます。お手紙は、知事も拝見いたします。「知事への手紙」を担当しております広報課からお返事させていただきますことを御了承ください。
頂戴したお手紙の内容を、担当の環境政策課および琵琶湖博物館に申し伝え、確認いたしました内容を御説明させていただきます。
いつも琵琶湖博物館を御利用いただきまして、ありがとうございます。
先日、御利用いただいた折に、自転車置き場の近くに喫煙場所を設置していたことから不快な思いをされたことについて大変申し訳なく思っております。本県では、望まない受動喫煙の防止を図ることを目的とする改正健康増進法の施行等を踏まえ、令和元年(2019年)5月31日から、県庁の本庁舎、公館、大津合同庁舎および各地方合同庁舎の敷地内を全面禁煙としています。
また、その他の県機関についても基本的には全面禁煙としますが、今後、特段の事情のある施設については、それぞれの施設の性質により、実施時期も含め、個別に検討することとしています。
御指摘のとおり、健康増進法第25条の3第2項において「多数の者が利用する施設の管理権原者は、喫煙をすることができる場所を定めようとするときは、望まない受動喫煙を生じさせることがない場所とするよう配慮しなければならない。」とされております。
こうしたことから、琵琶湖博物館では、御指摘のありました駐輪場につきまして、速やかに喫煙場所を撤去いたしました。
また、健康増進法において、琵琶湖博物館は令和2年(2020年)4月以降の敷地内全面禁煙の対象施設となっており、現在は、周知等を含めた準備期間としておりましたが、子どもたちも多く利用する施設であることから、受動喫煙対策の重要性を考慮し、法律で定められた当初の予定よりも早く、令和2年(2020年)1月より敷地内全面禁煙とすることにいたしました。
駐輪場の喫煙場所は速やかに撤去した上で、敷地内全面禁煙も予定より早く2020年1月より実施する、との回答だ。
※健康増進法第25条の3は、2020年4月より第27条に移動された。
知事への手紙: 知事への手紙|滋賀県ホームページ
灰皿が撤去された駐輪場
回答にあった通り、灰皿は撤去された:
横には敷地内全面禁煙のお知らせが掲示されていた:
本文 書き起こし:
当館では、改正健康増進法施行に伴い、子どもなど受動喫煙により健康を損なうおそれの高い者が多く利用する施設であることから、敷地内を全面禁煙(加熱式タバコ、電子タバコを含む)とさせていただきます。皆様のご協力のほど、よろしくお願いいたします。
また、敷地外周辺での喫煙については、草津市では、「草津市路上喫煙の防止に関する条例」により、「市民等は、他人に迷惑を及ぼし、または被害を与えるおそれのある路上喫煙をしないよう努めなければならない。」とされていますので、併せてご留意くださるようお願いいたします。
滋賀県立大学の違法灰皿が撤去へ(2020年5月1日)
滋賀県立大学(彦根市八坂町2500)の敷地内の際に灰皿が少なくとも3つ設置されていた。
敷地内は禁煙であるため、灰皿の設置は健康増進法30条に違反する。
県の健康寿命推進課に通報したところ、大学より「灰皿を撤去する方向で学内で調整する旨の返答を得」たとの報告があった。
灰皿
敷地の出入口(Gate B, C, D)の3ヶ所に灰皿が設置された様子がストリートビューで確認できる。撮影時期は不明。
参考: 滋賀県立大学/キャンパスマップ
Gate B
手前が大学敷地、向こうが道路である。水路にかかる橋の上に喫煙者が2名いる。橋の上が敷地内かは不明だが、灰皿の場所は大学敷地内であろう。
Gate C
向こうが大学敷地。集水枡の上に灰皿が設置されている。よく見ると灰皿を囲むように境界を示す杭が3本打ってある。このことから敷地内と考えられる。
Gate D
向こうが大学敷地。Gate C と似た状況である。
大学は2019年7月1日より原則敷地内禁煙
改正健康増進法が2019年7月1日に一部施行された。大学を含む学校は第1種施設に分類され、原則敷地内禁煙が義務付けられた。敷地内での喫煙また灰皿の設置が違法となった。
「特定屋外喫煙場所」を設けることも可能であるが、そのためには「標識の設置」「喫煙場所の区画」「通常人が立ち寄らない場所」といった要件を満たさねばならない。
ストリートビューから明らかなようにいずれの灰皿も要件を何ら満たしていない。標識はなく、区画もされず、人の通り道にただ置かれているだけだ。
したがって健康増進法30条違反となる。
健康増進法より抜粋:
(特定施設等の管理権原者等の責務)
第三十条 特定施設等の管理権原者等(管理権原者及び施設又は旅客運送事業自動車等の管理者をいう。以下この節において同じ。)は、当該特定施設等の喫煙禁止場所に専ら喫煙の用に供させるための器具及び設備を喫煙の用に供することができる状態で設置してはならない。
滋賀県の対応
滋賀県 健康医療福祉部 健康寿命推進課 健康づくり係に違反を通報したところ、次の回答があった:
施設管理権限者(滋賀県立大学)に連絡し、ご指摘いただきました内容および同法における受動喫煙防止に関する説明を行い、灰皿を撤去する方向で学内で調整する旨の返答を得ましたのでご報告いたします。
即日撤去すべきものを、何を学内で調整する必要があるのか?よく分からない。
大津市を除く、滋賀県内における健康増進法の違反は、
滋賀県 健康医療福祉部 健康寿命推進課 健康づくり係が通報窓口である。
健康寿命推進課|滋賀県ホームページ
大津市内の違反は、大津市保健所に通報するとよい。
大津市保健所/大津市
滋賀県立大学は2015年4月1日より敷地内禁煙
そもそも滋賀県立大学は2015年4月1日より敷地内禁煙であった:
滋賀県立大学/大学敷地内全面禁煙のお知らせ
これら灰皿はこの時に設置されたもののようだ。健康増進法の一部施行に伴い撤去されていなければならなかったが、見落とされていたのであろう。
2017年11月5日(日)、京都テルサで開催された第11回日本禁煙学会学術総会で、
滋賀県立大学 人間看護学部の川端 智子(かわばた ともこ)准教授(当時、助教)が、
大学禁煙化への働きかけ ~人間看護学部からできること~
という演題で、大学敷地内全面禁煙に至る過程やそこでの医療従事者の役割について発表した。
川端准教授は「特に掲示なしに灰皿を4ヶ所設置」と言っていたので、恐らくもう1ヶ所灰皿があったものと思われるが、ストリートビューで探しても見当たらなかった。撮影時には既に撤去されていたのかも知れない。
研究者詳細 - 川端 智子
第11回日本禁煙学会学術総会「禁煙で伸ばそう健康寿命」(抄録集の59ページに川端准教授の発表が掲載)