摂津市の職員勤務施設が敷地内禁煙(2019年7月1日)、その他も翌年4月1日を予定

大阪府 摂津(せっつ)市の市役所等の職員の勤務する施設が2019年7月1日より敷地内禁煙となった。その他施設は2020年4月1日からを予定。

健康増進法の改正に伴う受動喫煙防止対策の推進に加え、喫煙者当人の健康増進のため。

摂津市は、北大阪健康医療都市(健都)のまちづくりを進めるにあたり、「健康・医療のまちづくり」を推進している。

経緯

太字摂津市への情報公開請求で明らかになった部分

2018年

2019年

  • 3月27日 庁議: 市の公共施設は7月1日より順次敷地内禁煙、2020年4月1日までに実施
  • 4月26日 勤務時間中における喫煙禁止について(通知) 摂公人第14号
  • 6月25日 庁舎敷地内全面禁煙に伴う対応について(お知らせ) メール
  • 7月1日 改正健康増進法が一部施行。摂津市の職員勤務施設が敷地内禁煙
  • 9月6日 令和2年4月1日からの公共施設の敷地内禁煙について(ウェブサイト)

2020年

  • 4月1日 市のその他の施設が敷地内禁煙(予定)

庁議要点録

2019年3月27日に開催された庁議の要点録がこちら:

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庁議要点録

決定事項の書き起こし:

<<臨時・非常勤職員、特別職を含むすべての職員>>
・臨時・非常勤職員、特別職及び指定管理者導入施設における職員は、法施行となる2019年7月1日から勤務時間を問わず全施設での敷地内完全禁煙とする。<<市民等の施設利用者について>>
・2019年7月1日から敷地内完全禁煙可能とする施設は、順次実施。対応困難とする施設は、2020年4月1日からの実施に向け周知する。

職員と市民等とで扱いが異なるように見えるが、結果的に7月1日までに職員の勤務する施設は敷地内禁煙となったため、これら施設においては職員・市民等とも喫煙が禁止された。

その他の施設は2020年4月1日までに実施される予定。

市長公室次長が、議事内容において、

文化スポーツ課及び自治振興課所管を除く施設については、市として方針決定があれば2019年7月からの対応が可能

と発言した通り、文化スポーツ課及び自治振興課、他にも生涯学習課等の所管する施設の敷地内禁煙化は2020年4月1日となった。

市長は

喫煙する職員自身の健康管理を考え、勤務時間を問わず完全禁煙とする。

と発言し、受動喫煙防止を図るだけでなく、喫煙者の健康も考慮に入れられていることが分かる。

勤務時間中における喫煙禁止(通知)

4月4日起案、4月9日決裁の各所属長宛の文書(摂公人第14号)がこちら:

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勤務時間中における喫煙禁止(通知)
職員だけでなく、派遣、業務委託、及び指定管理者制度により行政機関に勤務する者も、2019年7月1日以降は勤務時間中は喫煙禁止とされた。

通知文でも、庁議での市長の発言にあった『喫煙者の健康』について、言及された:

本市は、北大阪健康医療都市(健都)のまちづくりを進めるにあたり「健康・医療のまちづくり」を推進しているところであり、改正法の趣旨や、喫煙者当人の健康増進の観点からも、市の方針としてより積極的な取組を実施していくこととしたところである。

健都

健都とは吹田(すいた)市と摂津市とが進める「健康・医療のまちづくり」の地区の名称・愛称のこと:

吹田市摂津市では、令和元年(2019年)7月に国立循環器病研究センター(国循)が、吹田操車場跡地(吹操)へ移転することを契機とした「健康・医療のまちづくり」を進めています。また、大阪府をはじめとする関係機関の協力を得ながら、国循を中心とした国際級の医療クラスターの実現に向けて取り組んでいます。平成27年(2015年)7月、地区の名称・愛称が決まりました。

喫煙と循環器疾患

喫煙は動脈硬化・冠状動脈疾患・脳卒中・腹部大動脈瘤の原因となる。

摂津市が国立循環器病研究センターを中心とする「健康・医療のまちづくり」を進めるのであれば、禁煙を推進するのは当然のことと思う。

なお、吹田市は以前より公共施設での敷地内禁煙を実施している。

www.e-healthnet.mhlw.go.jp

庁舎敷地内全面禁煙に伴う対応について(お知らせ)

防災管財課長より各所属長宛の6月25日のメール(抜粋)がこちら:

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庁舎敷地内全面禁煙に伴う対応について(お知らせ)

市役所庁舎が敷地内禁煙となること、東別館食堂前東屋の閉鎖及び敷地内の灰皿撤去を周知することの依頼。

令和2年4月1日からの公共施設の敷地内禁煙について

9月6日に2019年4月1日より敷地内禁煙となる施設がウェブサイトにて公表された:
令和2年4月1日からの公共施設の敷地内禁煙について/摂津市

対象施設:

一覧に生涯学習課が所管する公民館や図書館など文化スポーツ課や自治振興課以外の所管施設が含まれる。庁議の要点録にあった

文化スポーツ課及び自治振興課所管を除く施設については、市として方針決定があれば2019年7月からの対応が可能

との報告に相違があるように思うが、それらは市として方針決定されなかったのだろう。方針決定された施設一覧が開示文書になかったので細かいことまでは分からなかった。


いくつかの施設の喫煙所について、2019年5月末時点の様子を見る。いずれも現状は知らない。市のコメントは6月時点。

摂津市立コミュニティプラザ

コンベンションホールの出入口横、受動喫煙が生じる場所に灰皿:

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摂津市立コミュニティプラザの灰皿

自治振興課は次のように言っていた:

施設の喫煙所(灰皿)の位置につきましては、来年度4月1日からの敷地内完全禁煙も視野に入れながら、受動喫煙に配慮した位置を検討しているところでございます。

ウェブサイトでの予告:

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健康増進法に伴う敷地内禁煙について

正雀市民ルーム

出入口の横、歩道との境目に喫煙所:

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正雀市民ルームの喫煙所
施設の利用者だけでなく、電話を架ける人、通行人にも受動喫煙が生じる。

摂津市正雀体育館

出入口のすぐ前、屋根があり煙が籠もりやすい場所に灰皿:

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摂津市正雀体育館の喫煙所
出入りする者、自販機を利用する者らに受動喫煙が生じるだけでなく、館内へとタバコ煙が流入しうる。

文化スポーツ課は次のように言っていた:

改正健康増進法が本年7月1日に改正されるにあたり、同日から喫煙所の位置を変更する予定となっております。
また、来年度の4月1日より敷地内完全禁煙となる予定です。7月から3月までの期間につきましては喫煙者の方への周知期間としております。
次に7月から移動する喫煙所の位置につきましては、周囲の住環境と安全に配慮た位置を検討してまいります。

摂津市立味生(あじふ)体育館

出入口の横、出入りする者へと受動喫煙の生じる場所に灰皿:

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摂津市立味生体育館の喫煙所

摂津市安威川公民館

摂津市民図書館に隣接。駐輪場のすぐ横に灰皿:

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摂津市安威川公民館の喫煙所

出入口から見た様子:

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摂津市安威川公民館の喫煙所

教育委員会事務局 教育総務部 生涯学習課は次のように言っていた:

摂津市では、図書館・公民館等外部施設につきまして、令和2年4月の改正健康増進法が全面施行となるのにあわせまして、該当施設の灰皿の撤去および全面禁煙とすることとしております。
ご指摘いただきましたように受動喫煙に対しまして不十分な点があることにつきましては、今後も検討し、快適な市民生活に努めて参りたいと考えております。