滋賀県立大学の違法灰皿が撤去へ(2020年5月1日)

滋賀県立大学(彦根市八坂町2500)の敷地内の際に灰皿が少なくとも3つ設置されていた。

敷地内は禁煙であるため、灰皿の設置は健康増進法30条に違反する。

県の健康寿命推進課に通報したところ、大学より「灰皿を撤去する方向で学内で調整する旨の返答を得」たとの報告があった。

灰皿

敷地の出入口(Gate B, C, D)の3ヶ所に灰皿が設置された様子がストリートビューで確認できる。撮影時期は不明。

参考: 滋賀県立大学/キャンパスマップ

Gate B

手前が大学敷地、向こうが道路である。水路にかかる橋の上に喫煙者が2名いる。橋の上が敷地内かは不明だが、灰皿の場所は大学敷地内であろう。

Gate C

向こうが大学敷地。集水枡の上に灰皿が設置されている。よく見ると灰皿を囲むように境界を示す杭が3本打ってある。このことから敷地内と考えられる。

Gate D

向こうが大学敷地。Gate C と似た状況である。

大学は2019年7月1日より原則敷地内禁煙

改正健康増進法が2019年7月1日に一部施行された。大学を含む学校は第1種施設に分類され、原則敷地内禁煙が義務付けられた。敷地内での喫煙また灰皿の設置が違法となった。

「特定屋外喫煙場所」を設けることも可能であるが、そのためには「標識の設置」「喫煙場所の区画」「通常人が立ち寄らない場所」といった要件を満たさねばならない。

ストリートビューから明らかなようにいずれの灰皿も要件を何ら満たしていない。標識はなく、区画もされず、人の通り道にただ置かれているだけだ。

したがって健康増進法30条違反となる。

健康増進法より抜粋:

(特定施設等の管理権原者等の責務)
第三十条 特定施設等の管理権原者等(管理権原者及び施設又は旅客運送事業自動車等の管理者をいう。以下この節において同じ。)は、当該特定施設等の喫煙禁止場所に専ら喫煙の用に供させるための器具及び設備を喫煙の用に供することができる状態で設置してはならない。

健康増進法: 健康増進法 | e-Gov法令検索

滋賀県の対応

滋賀県 健康医療福祉部 健康寿命推進課 健康づくり係に違反を通報したところ、次の回答があった:

施設管理権限者(滋賀県立大学)に連絡し、ご指摘いただきました内容および同法における受動喫煙防止に関する説明を行い、灰皿を撤去する方向で学内で調整する旨の返答を得ましたのでご報告いたします。

即日撤去すべきものを、何を学内で調整する必要があるのか?よく分からない。


大津市を除く、滋賀県内における健康増進法の違反は、
滋賀県 健康医療福祉部 健康寿命推進課 健康づくり係が通報窓口である。
健康寿命推進課|滋賀県ホームページ

大津市内の違反は、大津市保健所に通報するとよい。
大津市保健所/大津市

滋賀県立大学は2015年4月1日より敷地内禁煙

そもそも滋賀県立大学は2015年4月1日より敷地内禁煙であった:
滋賀県立大学/大学敷地内全面禁煙のお知らせ

これら灰皿はこの時に設置されたもののようだ。健康増進法の一部施行に伴い撤去されていなければならなかったが、見落とされていたのであろう。


2017年11月5日(日)、京都テルサで開催された第11回日本禁煙学会学術総会で、
滋賀県立大学 人間看護学部の川端 智子(かわばた ともこ)准教授(当時、助教)が、

大学禁煙化への働きかけ ~人間看護学部からできること~

という演題で、大学敷地内全面禁煙に至る過程やそこでの医療従事者の役割について発表した。

川端准教授は「特に掲示なしに灰皿を4ヶ所設置」と言っていたので、恐らくもう1ヶ所灰皿があったものと思われるが、ストリートビューで探しても見当たらなかった。撮影時には既に撤去されていたのかも知れない。

研究者詳細 - 川端 智子
第11回日本禁煙学会学術総会「禁煙で伸ばそう健康寿命」(抄録集の59ページに川端准教授の発表が掲載)