大阪府吹田(すいた)市の万博記念公園内にある国立民族学博物館(通称みんぱく)に3ヶ所あった来館者用喫煙所が2019年6月に2ヶ所廃止され、残るは1ヶ所となった。
安全衛生委員会における協議では1ヶ所のみ廃止予定であったが、部長会議にて吉田館長がさらにもう1ヶ所の廃止を提案した。
業者・職員等用の喫煙所3ヶ所はいずれも存続となった。
経緯
2019年
- 4月19日 第1回安全衛生委員会にて1ヶ所の廃止を了承
- 4月23日 部長会議にて2ヶ所の廃止を決定
- 6月?日 1ヶ所廃止
- 6月27日 もう1ヶ所廃止
来館者用喫煙所
屋外に2ヶ所、屋内に1ヶ所の計3ヶ所あった。屋外の2ヶ所が廃止された。
正面玄関外(ミュージアムショップ側)
国立民族学博物館には玄関が2つあり、その向かって右手(ミュージアムショップ側)の手前に喫煙所があった:
2019年6月半ばには灰皿が撤去されていた:
(展示場内)喫煙コーナー
展示場(2階)の一角に屋外喫煙所が設けられ、休憩所を兼ねていた:
団体客控室横喫煙所(喫煙専用室)
前出の掲示によると地下1階の「くつろぎスペース」の横にあるようだ:
喫煙室が密閉されているといえど、出入りに際し煙は必ず漏れる。ドアの開閉や動く人の背中に煙が引き込まれるからだ。
喫煙室からの煙の漏洩はシミュレーションにより可視化されている:
【社員のつぶやき】
— (株)環境シミュレーション (@env_simulation) June 19, 2019
先日飲食店で禁煙席に座りましたが、喫煙室が近かったため頻繁に煙草の煙が流れてきました。これからは喫煙室設置の際に一定の基準が設けられ、煙の流出についても防止が求められます。弊社の喫煙室の解析事例は下記URLをご覧ください。https://t.co/CVJKagEsm1
平成31年度 第1回 安全衛生委員会
2019年4月19日に開催。議事要旨より抜粋したものがこちら:
改正健康増進法においては、国立民族学博物館は博物館ということで第2種施設(多数の者が利用する施設)に位置付けられる(※筆者注: 大学院の入る4階に喫煙所はない)。
委員会では現行の喫煙所について、受動喫煙の影響を考慮し、1つ1つの要否が確認された。喫煙所は来館者用3ヶ所の他に業者・職員等用に3ヶ所あった。協議を経た了承事項を一覧にしたものがこちら:
それぞれ考察してみる。
1) 地下1階・団体客控室横喫煙所(喫煙専用室)
『他の利用者とは隔離されているので存続』と決められた。
煙は必ず漏れるので、誤った認識だ。
2) 1階・正面玄関外(ミュージアムショップ側)の喫煙所
『他の利用者とは隔離されているので存続』と決められた。
風の影響を受ける可能性が考慮されていない。タバコ煙の性質を誤解しているようだ。
『来館者等からの心象を考慮し、設置場所をより目立たない場所へ変更する必要がある』とされているが、喫煙所の発見が遅れるとかえって受動喫煙のリスクが増す。『心象』とは見た目のことと言っていた。
部長会議にて吉田館長が廃止を提案(後述)。
5) 1階・レストラン外
レストラン入口の裏手の隙間に喫煙所があるようだ:
『他の利用者とは隔離されているので存続』とは見当違いも甚しい。