アクアパルコ洛西(長岡京市勝竜寺山崎作20)の公園内には10ヶ所もの喫煙所(灰皿)があった。
京都府に撤去を求めたところ、1ヶ所に集約された。しかし器具庫の横であり、受動喫煙が生じる場所だ。
利用者へのアンケート結果では、非喫煙者の大半が評価し、喫煙者からも理解が示された。一方で、さらなる受動喫煙対策が課題とされた。
喫煙所10ヶ所
2019年3月頃に現地で確認すると、公園内の至るところ10ヶ所に灰皿が設置してあった。つまり受動喫煙対策は講じられてはいなかった。
子どもも多く利用する公園であるのに、それまで放置されていたのが理解に苦しむ。
アプローチ棟
ここを経由しないと公園には入れない。階段かエレベーターを利用することになるが、1,2階ともにエレベーターの入口真横に灰皿があった。
1階:
管理棟(サービスセンター)前
管理棟(サービスセンター)前の広けた場所の長椅子の前に灰皿があった:
芝生球技場の椅子
椅子の前に灰皿が2つ置かれていた:
球技場のベンチ
ベンチ前に灰皿が置かれていた:
テニスコートのベンチ
テニスコートが6面あるが、2面毎に灰皿が設置されていた。
テニスコート1・2:
休息コーナー
休息コーナーの四阿の下に灰皿があった。すぐ隣りには大型複合遊具で子ども達が遊んでいた:
喫煙の際の配慮義務
2019年1月24日に一部施行された改正健康増進法において喫煙の際に受動喫煙を生じさせない配慮義務が課せられた。
健発0122第1号には、次のように具体例が示されている:
できるだけ周囲に人がいない場所で喫煙をするよう配慮すること、子どもや患者等特に配慮が必要な人が集まる場所や近くにいる場所等では特に喫煙を控えること等が考えられる。
出典: 健発0122第1号 https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000482378.pdf
エレベーターの入口前や、球技場のベンチまた子どもの遊び場の近くで喫煙してはいけない。当然、灰皿も設置すべきではない。
京都府の回答
京都府総合お問い合わせ窓口より撤去を要望すると、水環境対策課より次の回答があった:
洛西公園の喫煙場所に関する貴重な御意見をいただき、誠にありがとうございます。
同公園は、指定管理者により運営がされており、御意見を受けまして、同管理者と今後の取組み方針について確認させていただきました。
その結果、喫煙場所について、公園や各グラウンドの出入り口にあるもの、遊具に隣接する休憩所にあるものは速やかに撤去するとともに、残る喫煙場所についても削減又は受動喫煙防止のための取組みを検討していくこととさせていただきます。
今後も、公園を快適に御利用いただけるよう努めてまいりますので、引き続き御協力をよろしくお願いいたします。
京都府総合お問い合わせ窓口: 京都府総合お問い合わせ窓口/京都府ホームページ
器具庫の横に集約
2019年4月25日より、それまであった灰皿は全て撤去され、器具庫の横に喫煙所が集約された:
公園ウェブサイトでの告知: http://www.jade.dti.ne.jp/rjpark/kinen.html
利用者アンケート
喫煙所の集約後、指定管理者が利用者にアンケートを行っていた。水環境対策課が管理業務の報告を受けた際に取得しており、公文書として開示された。
報告書には【園内の喫煙状況について】次のようにまとめられている:
・最大10箇所あった灰皿のほとんどを撤去し、今は管理棟西側の比較的交通量の少ないところに集約している。その上で、原則として園内禁煙としている。
・措置後、利用者にアンケートを採ったところ、園内禁煙についてはタバコを吸わない利用者の大半が評価しており、喫煙者の中にも理解を示す声が少なくなかった。
・一方で、タバコを吸わない人の中には喫煙場所すらいらないという声があり、今後も受動喫煙の防止のための措置を検討する必要がある。
疑問なのは「タバコを吸わない利用者の大半が評価」しているなら、なぜ彼らはそれまで撤去を要望しなかったのであろうか?
これに限らず、アンケートを採れば声が集まるが、そうでない場合に積極的に声を上げる人は少ないように思う。
受動喫煙を防止するには敷地内禁煙とする他ない。