京都府福知山総合庁舎(福知山市篠尾新町1丁目91)が2019年7月1日より敷地内禁煙を実施した。3ヶ所あった喫煙所は同年5月7日より1ヶ所に削減されていたが、それも廃止された。改正健康増進法の一部施行に伴う措置。
京都府の総合庁舎はこの他に舞鶴総合庁舎だけが敷地内禁煙となった。
宇治、乙訓、田辺、木津、園部、亀岡、綾部、宮津、峰山の9ヶ所の総合庁舎は喫煙場所が残された。
府庁(京都市)にも喫煙場所が3ヶ所ある。京都府は「受動喫煙ゼロ」を掲げていながら、実行に移せていない。
経緯
京都府への情報公開請求で開示された文書をもとに、安全衛生委員会や庁舎管理委員会での議論の内容、禁煙セミナーの開催また周知メールの送信を時系列で並べた。
2018年
- 11月28日 本庁での受動喫煙対策の議論を報告(安全衛生委員会)
- 12月17日 安全衛生委員会や庁舎管理委員会での継続協議を確認(安全衛生委員会)
2019年
- 2月20日 卒煙プログラムを検討(安全衛生委員会)
- 3月22日 外来用喫煙所は廃止を予定、職員用喫煙所は対応を検討(安全衛生委員会)
- 4月22日 GW明けから喫煙場所を1箇所に変更、7月1日からは廃止(安全衛生委員会)
- 4月25日 安全衛生委員会の協議結果を了承(庁舎管理委員会)
- 5月17日 禁煙セミナーを開催
- 5月27日 健康増進法の罰則規定を確認(安全衛生委員会)
- 6月3日 敷地内禁煙について職員向けにメール
- 6月17日 禁煙セミナー(2回目)を開催
- 6月27日 敷地内禁煙について再度メール
- 7月1日 健康増進法の一部施行に伴い、敷地内禁煙を実施。
- 8月30日 掲示による敷地内禁煙の周知方法を検討(安全衛生委員会)
京都府職員安全衛生委員会福知山地区小委員会(全体会議) H30.11.28
2018年11月28日(金) 9:00~9:40、京都府職員安全衛生委員会福知山地区小委員会が開催された。小委員会には全体会議とコアメンバー会議とがあり、この時は全体会議。
全体会議の開催結果報告は、産業医(保健所長)からの一言を加え、「安全衛生委員会(福知山地区)だより」として福知山管内の職員を対象に発信される。
安全衛生委員会(福知山地区)だより No.13 H30.12.7:
赤枠内書き起こし:
・受動喫煙対策が本庁で話し合われている。本庁で方針が決定されると、短期間で庁舎内全面禁煙へと移行する可能性がある。他の庁舎を含め情報収集をお願いしたい。
→職員や来庁者への周知が必要であるため、対応方法等について小委員会等に諮る。
京都府職員安全衛生委員会福知山地区小委員会(コアメンバー会議) H30.12.17
2018年12月17日(月) 9:00~9:40、京都府職員安全衛生委員会福知山地区小委員会(コアメンバー会議)が開催された。
会議報告書:
赤枠内書き起こし:
・受動喫煙対策について、前回(全体会議)の小委員会において、他庁舎の対策状況が知りたいと委員から要望があった。
・昨年度本庁が実施した調査結果を踏まえ、今後の対策を検討した。
・健康増進法の改正に伴い、病院や行政機関は、原則、敷地内禁煙となる。(施行日未定: 来年夏までに施行される予定)
→来年7月1日施行と新聞報道有り。
・当小委員会や庁舎管理委員会において、今後の対策を継続して協議することになった。
京都府職員安全衛生委員会福知山地区小委員会(コアメンバー会議) H31.2.20
2019年2月20日(水) 9:00~10:00、京都府職員安全衛生委員会福知山地区小委員会(コアメンバー会議)が開催された。
会議報告書:
・加熱式タバコの有害性は?(委員)
→明確な検査結果が出ていない。(健康を損なう恐れが明らかでない)
・7月1日施行の健康増進法改正による原則、敷地内禁煙に伴い、喫煙者へのフォローが必要ではないか。(委員)
→卒煙プログラムを検討する。(事務局)
京都府職員安全衛生委員会福知山地区小委員会(全体会議) H31.3.22
2019年3月22日(金) 10:00~10:30、京都府職員安全衛生委員会福知山地区小委員会(全体会議)が開催された。
安全衛生委員会(福知山地区)だより No.14 H31.3.29:
赤枠内書き起こし:
その他(健康増進法改正に伴う敷地内禁煙について)
・健康増進法改正に伴い、平成31年7月1日より、行政機関は、原則、敷地内禁煙となり、屋外で受動喫煙を防止するために必要な措置が取られた場所に、喫煙場所を設置することができる。
・産業医会では、原則、禁煙で意見統一されている。
・舞鶴及び綾部庁舎では、庁舎管理委員会に諮って対応を決定予定で、福知山庁舎においても、同様に庁舎管理委員会で対応を諮る。
・外来用喫煙所は廃止予定で、庁舎裏手の職員用喫煙所の対応を検討していく。
・保健所としては、職員の禁煙に向けたフォローを検討している。
京都府職員安全衛生委員会福知山地区小委員会(全体会議) H31.4.22
2019年4月22日(月) 10:00~11:00、京都府職員安全衛生委員会福知山地区小委員会(全体会議)が開催された。
安全衛生委員会(福知山地区)だより No.15 R1.5.10:
赤枠内書き起こし:
その他(健康増進法改正に伴う敷地内禁煙について)
健康増進法の改正に伴い、令和元年7月1日から、行政機関の庁舎は、原則、敷地内禁煙となるため、福知山総合庁舎の喫煙場所について、対応を協議した。
・書記局横の喫煙場所は、会議室や書記局の入口に近いため移動して欲しい。
・喫煙場所について、7月1日からは全て撤去すべき。喫煙は簡単に止めることはできない。7月1日から喫煙場所をゼロにして、それでも禁煙者がゼロになれなければ、対策を講じなければならない。
・他の公所等の禁煙対策状況はどうか?府立医大では、数年前に敷地内禁煙となり、バス停や近所のコンビニ、鴨川沿いに喫煙者が溢れ、苦情が寄せられた。
→喫煙場所はGW明けから1箇所に犯行する。舞鶴庁舎は4月1から1箇所に変更
・禁煙を目指す職員へのフォローについて、中丹西保健所の長光技師(医師)が主体となって相談を受け付ける。(福知山地域総務室が窓口)
・管内各所属の喫煙者数を照会する。その職員を対象に6月中に禁煙セミナーを開催する。
り、屋外で受動喫煙を防止するために必要な措置が取られた場所に、喫煙場所を設置することができる。
産業医(保健所長)からの一言には、「たばこ規制枠組条約」が紹介され、受動喫煙防止が世界的な要請であることが指摘されている。
たばこの規制に関する世界保健機関枠組条約|外務省
平成31年度福知山総合庁舎管理委員会
2019年4月25日(木) 13:30~14:30、平成31年度福知山総合庁舎管理委員会が開催された。
会議報告書:
赤枠内書き起こし:
庁舎での喫煙について
・GW明けより府税出張所玄関前、庁舎2階屋外及び書記局横の喫煙場所を撤去し、5月6月は喫煙場所を1箇所(案のとおり)に集約すること。
・法施行の7月1日からは、喫煙場所をなくすこと。
について了承を得た
→府税出張所玄関前喫煙場所には来庁者向け張り紙、庁舎2階及び書記局横喫煙場所には、職員向けの張り紙をはる。GW明けに庁舎職員に喫煙場所についての一斉メールをする。
喫煙場所(令和元年5月7日~)の見取り図:
京都府職員安全衛生委員会福知山地区小委員会(コアメンバー会議) R1.5.27
2019年5月27日(月) 16:30~17:00、京都府職員安全衛生委員会福知山地区小委員会(コアメンバー会議)が開催された。
会議報告書:
赤枠内書き起こし:
その他(健康増進法改正に伴う、7月1日からの敷地内禁煙について)
・7月1日からの福知山総合庁舎敷地内禁煙に向けて、5月17日に禁煙セミナーを開催した。6月17日に第2回目を開催予定であるため喫煙する職員が参加できるよう声かけをお願いしたい。(事務局)
・庁舎敷地内禁煙となれば、自家用車内であれば喫煙しても良いと考える職員が出るのではないか。(委員)
→7月1日から敷地内禁煙(自家用車内も禁煙)とする棟、改めて職員に周知する。(6月3日に一斉メールを送信)
・健康増進法は罰則規定(最大30万円の過料)が有り、7月1日以降庁舎敷地内で喫煙する者を発見した場合、喫煙の中止等を求め、改善が見られなければ、知事等が命令し、それでも改善が見られなければ罰則が適用(過料)される。
・対策を怠った施設管理権原者には、最大50万円の過料が科される。
福知山総合庁舎敷地内全面禁煙について(メール)
2019年6月3日、福知山地域総務室より、福知山管内所属の職員に対し、メール「福知山総合庁舎敷地内全面禁煙について」が送信された。
メール:
7月1日から敷地内禁煙となること、自家用車内も禁煙となること、禁煙セミナーを開催することなどが周知された。
福知山総合庁舎敷地内全面禁煙について(メール、2回目)
2019年6月3日、福知山地域総務室より、中丹管内所属の職員に対し、6月3日と同じタイトルのメール「福知山総合庁舎敷地内全面禁煙について」が送信された。
中丹管内が宛先なので、福知山だけでなく、舞鶴、綾部管内へもメールが届いたことと思う。
メール:
先のメールの内容に加えて、「特定屋外喫煙場所」を設けなかった理由を検討結果とともに説明している。
「④庁舎東側は公道に面しており、現在の喫煙場所は公道や公用車駐車場に煙が流出する恐れがあるため継続設置は困難」とあるが、「庁舎東側」は「庁舎西側」の誤植と思われる。
ストリートビューで確認できる場所にあったのだから、公道に煙が流出する恐れがあるのは当然の指摘だ。
敷地内禁煙を実施
2019年7月1日、敷地内禁煙を実施した。
公開文書からは、禁煙セミナーを2回、メールでの周知を2回と、丁寧に事務を進めたことが伺える。
2回目のメールには「7月以降も禁煙セミナーを開催予定」とあり、喫煙者への手厚いフォローが見られる。
京都府職員安全衛生委員会福知山地区小委員会(全体会議) R1.8.30
2019年8月30日(金) 16:00~16:50、京都府職員安全衛生委員会福知山地区小委員会(全体会議)が開催された。
安全衛生委員会(福知山地区)だより No.16 R1.9.17:
・庁舎敷地内禁煙について、庁舎内に敷地内禁煙である棟の掲示物は特にない。来庁者に対しても周知徹底すべきではないか。(委員)
→単純に敷地内禁煙である棟の掲示だけでなく、喫煙者へのメッセージも必要と考えられるため、内容について保健所と調整する。(事務局)
敷地内禁煙を実施して2ヶ月が過ぎようという頃であり、周知方法について改めて提案がされている。細心の注意を払って敷地内禁煙に取り組んでいるという印象を受ける。
事務局も「喫煙者へのメッセージ」を「保健所と調整」すると答えており、横の連携を重視していることが分かる。
青枠の中には、新任の保健所長により卒煙のメリットが紹介されている。
他の総合庁舎における受動喫煙対策
京都府の総合庁舎はこの他に舞鶴総合庁舎だけが敷地内禁煙となった:
muen-desire.hateblo.jp
宇治、乙訓、田辺、木津、園部、亀岡、綾部、宮津、峰山の9ヶ所の総合庁舎は喫煙場所が残された:
muen-desire.hateblo.jp
府庁(京都市)にも喫煙場所が3ヶ所ある。
これらの庁舎における受動喫煙対策の経緯は後日、別稿に記す。
喫煙場所がある限り、受動喫煙は必ず生じる。喫煙後であっても喫煙者の呼気にタバコ煙の有害物質が含まれるからだ。
京都府は京都府受動喫煙防止憲章を策定し、「受動喫煙ゼロの京都府を目指す」と掲げていながら、府の庁舎で実行に移せていない。これでは民間に示しが付かない。
京都府受動喫煙防止憲章/京都府ホームページ