京都府峰山総合庁舎(京丹後市峰山町丹波855)が2019年7月1日より改正健康増進法の一部施行に伴いテニスコートに特定屋外喫煙場所を設置した。
3ヶ所あった喫煙場所が2015年12月31日に2ヶ所に削減され、2017年には1ヶ所だけとなっていた。これが健康増進法の改正に伴いテニスコートへと移設された。
テニスコートは遅くとも2016年の時点で整備のため使用中止とされ、長らく使用されてこなかったようだが、職員の中には本来の運動目的の施設としての活用を望む声があるようだ。健康増進のためのスポーツの場が、致死的有害性を備えるタバコを消費する場として濫用されている。
京都府の総合庁舎は福知山と舞鶴総合庁舎だけが敷地内禁煙となった。
峰山の他にも宇治、乙訓、田辺、木津、園部、亀岡、綾部、宮津の6ヶ所の総合庁舎は喫煙場所が残された。
府庁(京都市)にも喫煙場所が3ヶ所ある。京都府は「受動喫煙ゼロ」を掲げていながら、実行に移せていない。
- 経緯
- 平成27年度 第1回 峰山総合庁舎管理委員会
- 平成27年度京都府職員安全衛生委員会峰山地区小委員会(第8回)
- 喫煙場所の一部廃止について
- 平成29年度京都府職員安全衛生委員会峰山地区小委員会(第5回)
- 平成29年度京都府職員安全衛生委員会峰山地区小委員会(第8回)
- 平成30年度 第1回京都府峰山総合庁舎管理委員会
- 令和元年度京都府職員安全衛生委員会峰山地区小委員会(第2回)
- 令和元年度 第1回京都府峰山総合庁舎管理委員会
- 喫煙場所移設場所について(メール)
- 令和元年度京都府職員安全衛生委員会峰山地区小委員会(6月)
- 峰山総合庁舎のおける喫煙対策の取組について(通知)
- 他の総合庁舎における受動喫煙対策
経緯
京都府への情報公開請求で開示された文書をもとに、安全衛生委員会や庁舎管理委員会での議論の内容やメールまた通知を時系列で並べた。
2015年
- 11月9日: 喫煙場所の一部廃止を提案(第1回庁舎管理委員会)
- 11月19日 庁舎管理委員会での提案を報告(安全衛生委員会)
- 12月14日 喫煙場所の一部廃止について(事務連絡)
- 12月31日 本館北側外階段2階踊り場の喫煙場所を廃止
2017年
- 8月3日 溶解文書の保管場所変更に伴い喫煙場所を一時閉鎖(安全衛生委員会)
- 12月7日 一時閉鎖中の喫煙場所をそのまま廃止するかを検討(安全衛生委員会)
2018年
- 4月25日 喫煙場所は引き続き1ヶ所のみ(庁舎管理委員会)
2019年
平成27年度 第1回 峰山総合庁舎管理委員会
2015年11月9日(月) 午後1時30分より平成27年度 第1回 峰山総合庁舎管理委員会が開催された。
次第:
議事録(抜粋):
本館の外階段2回の踊り場の喫煙場所について、ドアの開閉に伴い煙が屋内へと流入すると指摘され、廃止の流れとなった。
テニスコートについては、「運動用の施設として、本来の目的で残すべきという要望」に対して意見が述べられている。
京都府のホームページで、このテニスコートは「現在、整備中につき貸し出ししておりません。」とされている:
あとで見るように特定屋外喫煙場所が設置されてしまったのだから、もはやテニスコートとして利用する気がないのではないか?
府民が1時間あたり100円で使用できたスポーツの施設が今は喫煙に使用されている。全くおかしなことだ。
平成27年度京都府職員安全衛生委員会峰山地区小委員会(第8回)
2015年11月19日(木) 午後1時00分より1時45分にかけて、平成27年度京都府職員安全衛生委員会峰山地区小委員会(第8回)が開催された。
概要:
赤枠が受動喫煙対策に関する部分。3ヶ所ある喫煙所のうち1ヶ所の廃止を庁舎委員会で提案したことについて報告している。
喫煙場所の一部廃止について
2015年12月14日、庁舎管理委員会より委員宛に「喫煙場所の一部廃止について」が出された:
照会をかけたが特に強い反対意見がなく、別紙により廃止を知らせることとされた。また照会で得られた意見については今後の検討課題とされた。
別紙「喫煙場所の一部廃止のお知らせ」:
本館北側外階段2階踊り場の喫煙場所が12月31日(木)に廃止とされた。
平成29年度京都府職員安全衛生委員会峰山地区小委員会(第5回)
2017年8月3日(木) 午前11時00分より11時30分にかけて、平成29年度京都府職員安全衛生委員会峰山地区小委員会(第5回)が開催された。
概要:
赤枠内が受動喫煙対策に関する部分。
本庁(京都市)で開催された平成29年度京都府職員安全衛生委員会(第4回)の結果について報告がなされている。その中で、「喫煙コーナーの配置状況について点検を行い、安全衛生委員会小委員会の管内ごとに検討を進めていく。」こととされた。
また2ヶ所あった喫煙所について、「溶解文書の保管場所を変更するに伴い、喫煙場所(保健所側)を一時閉鎖する」とされ、1ヶ所となった。
平成29年度京都府職員安全衛生委員会峰山地区小委員会(第8回)
2017年12月7日(木) 午後1時00分より2時00分にかけて、平成29年度京都府職員安全衛生委員会峰山地区小委員会(第8回)が開催された。
概要:
赤枠内が受動喫煙対策に関する部分。
一時閉鎖中の喫煙所について、そのまま廃止とするか、安全衛生委員会や庁舎管理委員会で検討することとされた。
平成30年度 第1回京都府峰山総合庁舎管理委員会
2018年4月25日(水) 午後1時より平成30年度 第1回京都府峰山総合庁舎管理委員会が開催された。
次第:
議事録:
赤枠内が受動喫煙対策に関する部分。
「峰山庁舎の空調設備工事終了にはなったが、喫煙場所については引き続き1ヶ所のみの設置とする。」とされた。溶解文書の保管場所が変更されていたのは、どうもこの空調設備工事が理由であったようだ。なにはともあれ、一時閉鎖されていた喫煙所はそのまま廃止となった。
令和元年度京都府職員安全衛生委員会峰山地区小委員会(第2回)
2019年5月9日(木) 午後1時30分より2時30分にかけて、令和元年度京都府職員安全衛生委員会峰山地区小委員会(第2回)が開催された。
同年7月1日からの改正健康増進法の一部改正に伴い、行政機関の庁舎は原則敷地内禁煙が義務付けられた。それに向けた検討が始まったわけだが、始動が遅いという他ない。
もっと早い時期から禁煙セミナーの開催といった職員への卒煙支援の取り組みなどもあわせて検討を進めるべきであった。
概要:
赤枠内が受動喫煙対策に関する部分。
『受動喫煙対策として7月1日から「敷地内禁煙」が義務づけられた。」としていながら、喫煙所設置ありきの内容だ。
「プレハブ南側駐車場前の区画に喫煙場所を設置」ともあるが、駐車場利用者へ受動喫煙が生じる場所を選んでいることになる。実はこの区画は車椅子用駐車スペースのすぐ隣であった。
総務室が4月24日に作成した資料『「健康増進法の一部を改正する法律」の施行について(受動喫煙対策)』がこちら:
令和元年度 第1回京都府峰山総合庁舎管理委員会
2019年5月20日(月) 午前10時より令和元年度 第1回京都府峰山総合庁舎管理委員会が開催された。
次第:
会議報告書:
資料No. 3(移設案):
庁舎管理委員会では、プレハブ棟の南側から東側へと移設される案が出された。
資料No.2 は総務室が作成した4月24日のもの。
喫煙場所移設場所について(メール)
2019年6月4日、衛生管理者より、庁舎管理委員会委員あてに「喫煙場所移設場所について」というメールが送信された:
添付ファイル:
庁舎管理委員会で提案された移設場所には、可燃性のアセチレンガス庫の排気口があり、不適であるため、プレハブ棟の北側の壁沿いに設置する、という内容だ。
テニスコートの一部が喫煙場所として使用されることとなった。
設置場所が2転したわけだが、慎重を期した検討がなされなかったことが伺われる。
令和元年度京都府職員安全衛生委員会峰山地区小委員会(6月)
2019年6月13日(木) 午後1時00分から1時30分にかけて令和元年度京都府職員安全衛生委員会峰山地区小委員会が開催された。
開催結果:
赤枠内が受動喫煙対策に関する部分。
本庁(京都市)で開催された令和元年度京都府職員安全衛生委員会(第2回)の結果が報告された。
7月1日からの喫煙場所の移転について報告された。
峰山総合庁舎のおける喫煙対策の取組について(通知)
2019年6月13日、企画総務部長より「峰山総合庁舎のおける喫煙対策の取組について」が通知された:
別添図:
この図を見て分かることは、移設前の喫煙場所は車椅子用駐車スペースの隣にあったということだ。身体障害者の中には呼吸器障害を抱える者もいて、タバコ煙への曝露を禁忌とする場合もあるというのに考えられないことだ。
上空から見ると、テニスコートの東西の両側に駐車場が広がり、車が沢山停まっていることが分かる。当然、乗降する者らへと受動喫煙が生じるだろう:
他の総合庁舎における受動喫煙対策
京都府に9つある総合庁舎は舞鶴と福知山総合庁舎の2ヶ所だけが敷地内禁煙となった:
muen-desire.hateblo.jp
muen-desire.hateblo.jp
峰山の他、宇治、乙訓、田辺、木津、園部、亀岡、綾部、宮津の6ヶ所の総合庁舎は喫煙場所が残された。
府庁(京都市)にも喫煙場所が3ヶ所ある。
これらの庁舎における受動喫煙対策の経緯は後日、別稿に記す。
喫煙場所がある限り、受動喫煙は必ず生じる。喫煙後であっても喫煙者の呼気にタバコ煙の有害物質が含まれるからだ。
京都府は京都府受動喫煙防止憲章を策定し、「受動喫煙ゼロの京都府を目指す」と掲げていながら、府の庁舎で実行に移せていない。これでは民間に示しが付かない。
京都府受動喫煙防止憲章/京都府ホームページ