※京都市の厳しい財政事情を踏まえ、令和3年度は実施されていない。
京都市行財政局市税事務所納税室納税推進担当が、市たばこ税増収を目的とし、広報物品の製作・配布を京都たばこ商業協同組合に毎年事業委託している。委託料は約177万円(平成26年度~平成30年度)、約163万円(令和元年度)。
広報物品とは「たばこの価格には市たばこ税が含まれています。たばこは京都市内で買いましょう」などと印刷されたライターのこと。これを42,000個(平成26年度)~35,000個(令和元年度)製作し、組合に加入する小売店でタバコ購入者に配布する。
このような事業委託はすぐにでも止めるべきだ。タバコの負の経済効果はタバコ税収入を上回ることが知られている。市たばこ税が入ったところで喫煙を原因とする疾病の治療に費やされる超過医療費等で財政はマイナスとなる:
タバコ規制枠組条約(FCTC)第13条(たばこの広告、販売促進、および後援)は、このようなライターの配布はタバコの販促であるとして禁止すべきとしている。
第13条実施のためのガイドラインで例示される「条約第13条の禁止に該当する広告、販売促進、後援の形態」には
たばこ製品を購入すると、ギフトまたは割引製品を提供すること(キーホルダー、T シャツ、野球帽、ライターなど)。
が含まれる。
出典: https://www.ncc.go.jp/jp/cis/divisions/tobacco_policy/project/fctc/GL_article13.pdf
年度毎の比較
京都市に情報公開請求し開示された文書をもとに、
委託業務等名、委託料、ライターの製作数、組合小売店数(12月1日時点)を年度毎に比較する。
年度 | 委託業務等名 | 委託料(円) | 製作数 | 小売店数 |
---|---|---|---|---|
H26 | 市たばこ税増収事業 | 1,776,600 | 42,000 | 704 |
H27 | 市たばこ税増収事業 | 1,775,300 | 41,000 | 650 |
H28 | 市たばこ税増収事業 | 1,776,000 | 40,000 | 600 |
H29 | 市たばこ税増収事業 | 1,773,550 | 39,500 | 550 |
H30 | 市たばこ税増収のための広報事業 | 1,774,500 | 39,000 | 533 |
R1 | 「たばこを買うなら京都市内で」呼掛け事業 | 1,627,500 | 35,000 | 491 |
R2 | 「たばこを買うなら京都市内で」呼掛け事業 | 1,627,500 | 31,000 | 459 |
R3 | - | 0 | 0 | - |
平成26年度から30年度にかけての委託料は約177万円。ライターの製作数は単価の上昇に伴い毎年減少していた。
令和元年度からは委託料が約163万円とそれまでより1割弱減らされた。
※京都市の厳しい財政事情を踏まえ、令和3年度は実施されていない。
組合に加盟する小売店数(12月1日時点)は毎年減少している。
この調子で線形に減少すれば、令和13年度(平成に換算すると43年度)には0になると予想される:

令和2年度「たばこを買うなら京都市内で」呼掛け事業
開示文書を示す。委託契約書の裏面の条項及び特記事項は割愛する。
委託契約書:

業務仕様書:

報告書:


令和元年度「たばこを買うなら京都市内で」呼掛け事業
開示文書を示す。
委託契約書:
裏面の条項及び特記事項:
業務仕様書:
報告書:
平成30年度 市たばこ税増収のための広報事業
開示文書を示す。委託契約書の裏面の条項及び特記事項は割愛する。
委託契約書:
業務仕様書:
報告書:
平成29年度 市たばこ税増収事業
開示文書を示す。委託契約書の裏面の条項及び特記事項は割愛する。
委託契約書:
業務仕様書:
報告書:
平成28年度 市たばこ税増収事業
開示文書を示す。委託契約書の裏面の条項及び特記事項また関連する覚書は割愛する。