京都市長が京都たばこ商業協同組合機関誌に寄稿(年2回)

京都市長が京都たばこ商業協同組合の機関誌「京煙だより」に寄稿している。毎年2回発刊される正月号と夏号それぞれに組合の依頼に応じて寄稿している。

京都市長はこのような関係は解消すべきだ。政治家はタバコ業界と距離を置くべきである。

京都府知事も同様に寄稿している:
muen-desire.hateblo.jp


以下、京都市に情報公開請求して開示された文書を示す。

依頼文

毎回発刊に先立ち組合より京都市長あてに寄稿の依頼がある。1つだけ示す。

令和2年正月号

令和元年11月13日付け京都市長あて依頼文:

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組合機関誌寄稿のご依頼の件

寄稿文

寄稿文の原稿を示す。恐らく職員が起案したものだろう。

令和3年正月号

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寄稿文(令和2年正月号)

令和2年夏号

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寄稿文(令和2年夏号)

令和2年正月号

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寄稿文(令和2年正月号)

令和元年夏号

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寄稿文(令和元年夏号)

平成31年正月号

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寄稿文(平成31年正月号)
最後の段落にSDGsへの言及があるが、SDG3.aは「すべての国々において、たばこ規制枠組条約の実施を適宜強化する。」というもの。
政治家はタバコ産業関係者と距離を置かなくてはならない。
出典: 目標 3 あらゆる年齢のすべての人々の健康的な生活を確保し、福祉を推進する | SDGs | グローバル・コンパクト・ネットワーク・ジャパン

平成30年正月号

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寄稿文(平成30年正月号)

平成29年夏号

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寄稿文(平成29年夏号)

伊藤若冲生誕300周年記念事業」とはこちらのこと:
京都市補助金115万6千円を組合に支出した。
muen-desire.hateblo.jp

平成29年正月号

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寄稿文(平成29年正月号)

平成28年夏号

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寄稿文(平成28年夏号)
最初の段落で「まちのたばこ屋さん」が少なくなったと指摘されている通り、京都たばこ商業協同組合の組合員数は減少傾向にあり、このまま線形に減少を続ければ令和13年度に0になると予想される:
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会員数の推移
出典:
muen-desire.hateblo.jp

京都市長が創業50年を超えるタバコ店10店舗を毎年表彰(平成18年~)

京都市長が京都たばこ商業協同組合に所属するタバコ店のうち、創業50年を超える10店舗に毎年「京都市長賞」を授与している。毎年5月の総代会で組合が市に申請した10店舗に表彰状を授与している。

京都市は長期間に及ぶ経営を表彰するのではなく、タバコ販売以外の業種への転業を支援すべきだ。

タバコ規制枠組条約(FCTC)第17条「経済的に実行可能な代替の活動に対する支援の提供」には次のようにある:

締約国は、相互に並びに権限のある国際的及び地域的な政府間機関と協力して、適当な場合には、たばこの労働者及び耕作者並びに場合に応じ個々の販売業者のために経済的に実行可能な代替の活動を促進する。

出典: たばこ規制枠組条約

経緯

もとは平成18年5月に「京の商い50年表彰」として始められたが、平成20年3月に凍結された後、平成20年5月より京都市長賞として継続されている:

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「京の商い50年表彰」の経緯


以下、京都市に情報公開請求し、開示された文書を示す。

令和3年4月22日起案「業種別組合の総代会での組合員店舗表彰における京都市長賞の交付について(京都たばこ商業協同組合)」

申請書は割愛する。

なお、令和3年度の総代会は新型コロナ感染症の拡大防止に伴い、開催中止とされた。京都市長賞が実際に交付されたかは分からない。

添付文書回議票:

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添付文書回議票

表彰状:

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表彰状

令和2年4月13日起案「業種別組合の総代会での組合員店舗表彰における京都市長賞の交付について(京都たばこ商業協同組合)」

申請書は割愛する。

なお、令和2年度の総代会は新型コロナ感染症の拡大防止に伴い、開催中止とされた。京都市長賞が実際に交付されたかは分からない。

添付文書回議票:

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添付文書回議票

表彰状:

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表彰状

賞状の筆耕料は、10枚で26,000円(税別):

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見積書

平成31年4月4日起案「業種別組合の総代会での組合員店舗表彰における京都市長賞の交付について(京都たばこ商業協同組合)」

申請書の添付書類は割愛する。

添付文書回議票:

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添付文書回議票

申請書:

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申請書

表彰状:

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表彰状

平成30年3月26日起案「業種別組合の総代会での組合員店舗表彰における京都市長賞の交付について(京都たばこ商業協同組合)」

申請書は割愛する。

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添付文書回議票

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表彰状

平成29年5月1日起案「業種別組合の総代会での組合員店舗表彰における京都市長賞の交付について(京都たばこ商業協同組合)」

申請書は割愛する。

添付文書回議票:

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添付文書回議票

表彰状:

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表彰状

平成28年4月25日起案「業種別組合の総代会での組合員店舗表彰における京都市長賞の交付について(京都たばこ商業協同組合)」

申請書は割愛する。

添付文書回議票:

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添付文書回議票

表彰状:

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表彰状

平成27年4月20日起案「業種別組合の総代会での組合員店舗表彰における京都市長賞の交付について(京都たばこ商業協同組合)」

申請書は割愛する。

添付文書回議票:

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添付文書回議票

表彰状:

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表彰状

平成26年4月25日起案「業種別組合の総代会での組合員店舗表彰における京都市長賞の交付について(京都たばこ商業協同組合)」

申請書は割愛する。

添付文書回議票:

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添付文書回議票

表彰状:

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表彰状

神戸市保健所がコンビニ3社他に灰皿の撤去・移設を依頼(2019年10月)

神戸市保健福祉局保健所が2019年10月、ローソン、ファミリーマートセブン-イレブンのコンビニ3社へ、屋外灰皿の撤去・移設を求める依頼文を出した。

兵庫県受動喫煙防止条例が改正され、同年7月1日より、「屋外であっても建物の出入口付近など人通りが多い場所については灰皿を設置しないなど、受動喫煙防止措置を講じなければならないこと」となったため。

市民等からの通報があった店舗へは現地確認もしたようだ。

依頼文が出させるより前に、改正条例の施行に合わせ撤去した店舗もあったようだ:
higashinada-journal.com

兵庫県受動喫煙防止条例第9条第6項

兵庫県受動喫煙防止条例より第9条第6項の条文を引用する:

第1項の施設管理者は、建物等への出入り、自動車の乗降、待合いその他の人が相互に近接する利用が想定される当該対象施設内の場所については、受動喫煙防止区域以外の区域であっても、吸い殻入れ等を設置しないなど受動喫煙の防止等に関して必要な措置を講じなければならない。

出典: 兵庫県受動喫煙防止条例 https://web.pref.hyogo.lg.jp/kf17/documents/020401.pdf

屋外であってもコンビニの出入口脇など人が互いに近付く場所には灰皿を置いてはいけない、という規定だ。


健康増進法にも類似の規定はある(第27条: 喫煙の際の配慮義務)が、兵庫県の条例はより具体的に条文に規定している。

法令に基づく受動喫煙防止対策について(お願い)

令和元年10月7日起案「受動喫煙防止対策への対応に係る民間企業への依頼について(伺)」により、次の4社に依頼文が出された:

株式会社ローソンあて

令和元年10月10日付け:

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法令に基づく受動喫煙防止対策について(お願い) ローソンあて
問い合わせ先にメールアドレスも記載されていたが、トリミングした。

下線部に県条例が説明される:

県条例においては本年7月1日より、屋外であっても建物の出入口付近など人通りが多い場所については灰皿を設置しないなど、受動喫煙防止措置を講じなければならないこととなりました。


また、建物出入口や歩道からの距離について神戸市保健所の考えが示されている:

県条例では建物出入口や歩道からの距離要件は定められていませんが、神戸市保健所では、無風状態においてたばこの煙が届きにくいとされる「7m以上」としていただきますよう、施設管理者の方へお願いしています。


しかし、7mでは短か過ぎるように思う。実際は風の影響を受ける。風下25mでも受動喫煙は検出されうる:
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出典: 受動喫煙防止等のたばこ対策の推進に関する研究の分担研究報告書「受動喫煙防止の法規制の強化に関する研究」全て表示|厚生労働科学研究成果データベース MHLW GRANTS SYSTEM

株式会社ファミリーマートあて

ローソンあてのものと同じ内容だが2日早く令和元年10月8日付け:

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法令に基づく受動喫煙防止対策について(お願い) ファミリーマートあて

セブン-イレブン加盟店オーナーあて

セブン-イレブンはどういうわけか加盟店オーナーあてとなっていた:

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法令に基づく受動喫煙防止対策について(お願い) セブン-イレブン加盟店オーナーあて

通報または現地確認により対応が必要な店舗(対応済み含む)

どうやら依頼文を送付するだけでなく、市民からの苦情の多い店舗に対しては現地確認もしたようだ:

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通報または現地確認により対応が必要な店舗(対応済み含む)

上中下と3段に分かれるが、それぞれがコンビニ3社の店舗に対応するかは不明。


神戸市議会の議事録(令和元年第2回定例市会(9月議会) (第6日) 本文 2019-10-29)には次のようにあった:

74 : ◯市長(久元喜造君)
ラグビーワールドカップ開催に当たりましては,スタジアム敷地内の喫煙所を3カ所設置いたしまして,受動喫煙防止対策を講じましたほか,9月中旬には,スタジアム・三宮駅周辺のコンビニエンスストアやたばこ販売店等11カ所で灰皿の撤去を申し入れました。10月中旬,コンビニエンスストア3社の本部に,市民の苦情が多い直営及びフランチャイズ店の灰皿撤去や移設の協力を要請をいたしました。4月上旬には,JR三ノ宮駅北側の屋外喫煙所へは,県とともに設置者であるJR西日本へ撤去,移設など早急な受動喫煙対策も申し入れたところでございます。

株式会社高砂商行あて

コンビニ3社より2週間程遅く令和元年10月23日付け:

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法令に基づく受動喫煙防止対策について(お願い) 高砂商行あて

この喫煙所に市民からの苦情が市に寄せられていたことと思われる: