衆議院選挙2021 タバコ族候補者の言動(滋賀県1区~4区)

2021年10月31日に第49回衆議院議員総選挙が投開票される。

タバコ業界の利益を代弁するタバコ族候補者の言動を見る。

滋賀県では1区から4区の自民党現職候補者が該当し、4人とも自民党たばこ議員連盟に加盟している。

※いずれも当選した。

1区の大岡敏孝候補、3区の武村展英候補は、平成28年5月20日の大津たばこ商業協同組合の通常総代会に来賓として出席した(下記詳述)。この2名は飲食店の完全禁煙に「反対」した:
smokillers.hatenablog.com

2区の上野賢一郎候補は、平成24年度に業界より10万円の献金を受け取ったとされる: http://notobacco.jp/seijikenkin/seimujimin201708.htm

4区の小寺裕雄候補は県議時代、県庁へのJTによる喫煙所寄贈に関与した(下記詳述)。


目次:


京都編:
muen-desire.hateblo.jp

平成28年度 大津たばこ商業協同組合 通常総代会に来賓として出席

平成28年5月20日ピアザ淡海会議室で開催。

1区の大岡敏孝候補、3区の武村展英候補が来賓として出席。

大津市に残されていた資料には、来賓紹介の横に

大津、守山、栗東JT大岡武村、二ノ湯秘書、佐藤県議、小鑓氏

とメモされている:

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平成28年度(第68回)通常総代会式順

このような業界との近しい関係が、世界標準である飲食店の完全禁煙に、反対させるのだろう。

なお、佐藤県議とは、今の佐藤健大津市長のこと。小鑓(隆史)氏は2014年の滋賀県知事選挙に落選した後、現在は参議院議員をしている。

県庁のJT寄贈喫煙所に関与

4区の小寺裕雄候補は県議時代、県庁へのJTによる喫煙所寄贈に関与していた。

平成24年11月5日に実施された寄贈式に出席:

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喫煙所寄贈式について


この喫煙所は、改正健康増進法が一部施行される2019年7月1日に先立ち、5月31日の世界禁煙デーに廃止された。

この予定が京都新聞で報道された5月8日の翌々日10日、県の担当者が自民党の控室に呼び出され、業界関係者に1時間20分にわたり反対される場面があった:

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県庁舎等全面禁煙に係る関係団体等からの意見等について 1/2
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県庁舎等全面禁煙に係る関係団体等からの意見等について 2/2


このことについて令和元年5月16日、三日月大造滋賀県知事は

たばこ税による収入の14億円は、無いものと思って予算を組むように財政課にも言っておくように。収支改善の中で厳しいが、喫煙を無くそうというのだから。

と発言したことが記録されている:

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県庁舎等における敷地内全面禁煙にかかる知事協議概要

三日月大造氏は2014年の選挙で、僅差で小鑓候補に勝利し滋賀県知事に就任した。もし小鑓候補が勝っていたら、県庁の敷地内禁煙化はとてもじゃないが実現されなかったであろう。

関西広域連合による受動喫煙防止対策に関する調査

平成28年8月18日に関西広域連合広域医療局が行った受動喫煙防止対策に関する調査において、滋賀県は「条例制定に至れない理由」を「たばこ協会や議員に依然強い反対論があり(後略)」と回答した:

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条例制定に至れない理由(滋賀県)


タバコ業界と関係を持ち、彼らの利益を代弁するタバコ族議員が、タバコ規制の進展を阻んでいる。